Y. S

「楽しい」「また来たい」
「ここにいてもいいんだ」
未来につながる居場所作りに
挑む人

2020年入職
教育支援事業部
社会福祉学部卒 学校教育専攻

Carrer Pass

2020年
新卒で入職
教育支援事業部配属、S市学習支援事業責任者
2021年
コーディネーター職となる
学習支援事業を継続担当、アウトリーチ支援事業として高校での居場所運営を実施

被災地で突きつけられた
「将来なんてどうでもいい」

高校1年生の時、東日本大震災が起きました。ある日突然、多くの人の住む場所や居場所がなくなるという出来事に強い衝撃を受け、自分にもできることを見つけたいと、岩手の大学へ進学。社会福祉学を学びながら、沿岸部での学習支援ボランティアに参加しました。

そこで出会った生徒たちは、家の人の仕事しか知らず、その仕事に就くしかないとか、大学なんて行かなくても仕事に就けるから、勉強なんてできなくていい、「将来なんてどうでもいい」という子がほとんどでした。

夢や目標のために勉強をがんばるのは当たり前、と思っていた自分の常識は、大きく揺さぶられました。

それでも、一緒に大学見学に行ったり、さまざまな職業の方に話を聞く機会を設けたりと試行錯誤するうち、自分が本当にやりたいことを見つけ、その後、専門学校に進学した子もいたそうです。

4年間のボランティア活動を通じて、学校や家庭にすべてを任せるのではなく、地域の中で生徒たちを見守る必要性を痛感し、学習支援を自分の仕事にしようと決意しました。大学院で教員免許を取得した後、新卒でキッズドアに入職します。

櫻井優樹の写真

何がわからないのかも
わからない、からのスタート

入職2年目の現在、2つの事業を担当しています。1つは行政の学習会と家庭訪問の委託事業で、もう1つが高校でのアウトリーチ支援事業です。いずれの事業でも責任者を務めています。

学習会+家庭訪問事業は、生徒指導をアルバイトやボランティアの方々にお任せし、私は行政との連絡調整や保護者対応に注力しています。そのうえで、特別支援や配慮が必要な生徒に対してスーパーバイズとして関わるなど、生徒もスタッフも気持ちよく学習ができる環境作りを大切にしてきました。

なかでもあるケースが印象に残っています。病気で学習教室に来れなくなってしまった生徒がいたのですが、チャットなどで勉強や進路の話、他愛もない会話を続けているうち、再び学習教室に通えるようになったのです。「ずっと行きたいと思っていたし、また来てもいいんだと思えた」と話してくれました。

生徒にとって、1つの居場所となっていたのを実感できたのと同時に、一度離れても戻って来られる開かれた空間になったことを感じた瞬間でした。

学校をはじめ、関係機関とのより効果的な連携など、課題は少なくありませんが、具体的な策を検討し意見をすり合わせていくことに日々向き合っているところです。

いっぽうのアウトリーチ支援事業では、週1回、公立高校へチームで出向き、校内のフリースペースを運営しています。ここは家庭の事情で中退し六大学を目指すような生徒から、中学レベルの学び直しが必要な生徒、高齢者の学び直しなど、事情も年齢も、実に多様な生徒が通う学校です。

進学相談に乗る傍ら、発達面で課題のある生徒のレポートをみるなど、支援の幅も大きくなっていますが、それでも担任の先生たちと協力し、生徒自身が納得のいく選択ができるように支援を模索しています。

振り返れば、1年目から事業責任者を務め、当初は何がわからないのかもわからないような日々でした。先輩社員に質問する、別の学習会に見学に行くなど、自分なりに課題解決に努めたことで、今では誰に何を聞いたらいいかが分かるようになったなと感じています。

これからキッズドアに入職されるみなさんも、すでにやったことのある人、得意分野の人たちの力を借りながら仕事ができると、その分生徒たちと話す時間や、必要なことに費やす時間が確保できるのではないでしょうか。

櫻井優樹の写真

子どもと保護者、
当事者に+αのインパクトを
残したい

私自身、両親が自営業の共働きで、友達や親戚の家、学童や放課後児童クラブ、中学にあがると部活など、家にいる時間よりも学校や地域の中にいることが多い子ども時代でした。

その頃、「自分はここにいていいんだ」といろいろな場所で感じられたことが自分のルーツであり、子どもたちにとって、1つでも地域の中に居場所ができるといいなと考える原点です。

ところが高校に上がると、子どもたちは一気に自己責任論の輪の中に投じられてしまいます。進級が難しいなら退学してしまおうと安易に考える子も少なくありません。私たちのもとに情報が来る頃には、すでに中退後で、高校への転入や再入学が難しいこともあります。

高校に「通いながら受けられる支援」を社会に増やしていくことが必要であり、その意味で、前述したアウトリーチ事業はやりがいのある事業です。他地域でも同様の事業を立ち上げるべく、行政への提案にも取り組みはじめています。

私たちが事業に携わる際に、行政からの要望に応えることは何とかできるはずです。しかしそれだけでは、子どもや保護者へ大切なインパクトを残すのには不十分で、+αしてできる何かが重要なのだと感じています。

特に子どもたちが「楽しい」「またやりたい」と思える体験は、数字で表れる以上の効果をもたらすことを、これまで数多く見てきました。ひいてはそれが、将来の夢や具体的な目標につながる第一歩になっていきます。だからこそ、様々なことに積極的に取り組むことができる人と一緒に働きたい、そう思っています。

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Weekly Schedule

ある1週間のスケジュール

月曜
休日
火曜
オンライン学習教室、家庭訪問、事務作業
水曜
学習教室、チームミーティング
木曜
学習教室、家庭訪問
金曜
学習教室
土曜
公立高校でのアウトリーチ支援
日曜
休日