N. Y

留学して知った、
日本の中の子どもの貧困。
“楽しい”
からはじまる可能性を信じて
困難に向き合う人

2019年入職
教育支援事業部
Sociology and International Development(社会学と開発学卒)

Carrer Pass

2017年
プリスクールおよび学童保育施設にて英会話講師を務める
2019年
キッズドア入職
教育支援事業部、江戸川区居場所事業と港区学習支援事業を兼務
2020年
江戸川区居場所事業責任者および児童館職員(中高生指導員)を務める
2021年
港区学習支援事業の責任者を務める

日本にある
“世界がもし
100人の村だったら”
と同様の社会課題

進路を考えていた中3の頃、図書室にあった『世界がもし100人の村だったら』という本を読んで衝撃を受けました。

私自身はごく普通の日本の中学生で、朝起きたらご飯があって、お母さんが洗濯してくれて、部活をがんばって、というあたりまえの毎日を送っているのに、世界には、貧しさや、戦争や、病気から、今日を生きることさえ大変な自分と同世代の子たちがたくさんいるという事実。

子どもながらに「知ったなら何かしなきゃいけない!」と思い、国際関係の勉強ができる高校を受験。高校卒業後、途上国支援について学ぶためにイギリスの大学に進学しました。

貧困の問題=海外のこと、という認識で、就職先もそのまま海外を想定していた私に、渡英し3年ほど経った頃、転機が訪れます。日本とイギリスの比較研究や、友人から日本の社会課題について質問されたことをきっかけに、日本の中の社会課題について調べてみたところ、自分の国にも子どもの貧困問題が存在していたことを知ったのです。

イギリスで学び、アジア人として、日本人として、というアイデンティティを自覚するなか、まずは自分の国の、身近な問題から携わろうと思い、帰国することを決めました。

帰国後、最初は学童保育の仕事に2年間従事した後、やはり子どもの貧困に関わる仕事がしたいと転職活動をスタート。キッズドアの存在と理念を知って入職を決めました。

吉永菜々の写真

「楽しい」が生きる
100名規模の
チームマネジメントに挑戦

入職と同時に担当したのは、港区の学習支援と江戸川区の居場所の2事業です。数十人規模を相手に勉強を教える学習支援と、食事や勉強をしたり会話したりと安心して時間を過ごしてもらうことを目的とした居場所事業の兼務で、1年目は精一杯。いまだに当時の記憶はあまりありません(笑)。

自立し卒業できた子を見送ることもできましたが、様々な理由で支援を継続することができず、途中で関わりが途切れてしまった子どもや家庭もありました。

向き合う子どもたちの状況も厳しく、気持ちが落ち込むこともありますが、自分が辞めたら子どもたちはどうなっちゃうんだろう。もう少しがんばろう、もう少しがんばろう、を繰り返して今にたどり着いた感じです。

3年目の今年は、行政委託事業の学習会責任者を担当しています。140名弱の生徒たちが計8ヶ所の教室で学ぶのを、行政と連携をとりながら、120名ほどの大人サポーターのみなさんの力を借りて運営しています。

家や学校でシンドイ思いをしている子が集まる場所だからこそ、まずはスタッフや職員が楽しんで、できるだけ笑顔で明るく迎え、関係性を築き、いい居場所や学習につなげていきたいです。

様々なバックグラウンドを持つボランティアの方たちをどうまとめていくか、楽しんで活動してもらうにはどうしたらよいか。チームメンバーや上司と話し合い、そのための企画や施作を1つずつ実現させながら、日々取り組んでいるところです。

吉永菜々の写真

複雑化する課題に、
自分たちの限界を決めずに
向き合っていく

学習会や居場所に来ている生徒の中には、単に経済的に困っているというだけでなく、家庭環境や発達障害、不登校、外国籍家庭など複雑な背景を抱えている子どもも少なくありません。

ボランティアが中心となって行うキッズドアの学習支援の場で、どんな対応ができるのか、本当に子どもの成長や自立につなげられているのかと悩むことも多いです。

けれどもそれは、裏を返せば、困難な子どもたちや家庭から頼りにされる場所として、キッズドアの存在が広がってきていることの証でもあります。

自分たちの限界はここまで、と区切ってしまうのではなく、どんな子どもも排除しない、されない学習会や居場所、包括的な社会を作っていければというのが新たに見えてきた目標です。

そのために、なるべく先入観を持たないように、なるべく受け止め、受け入れられるようにと思っています。子どもたちに教わった、大切なことの1つです。

吉永菜々の写真

Weekly Schedule

ある1週間のスケジュール

月曜
休日
火曜
学習会準備+チームの定例ミーティング
水曜
学習会1
木曜
事務作業(報告書・資料作成)
金曜
学習会準備+事務作業(報告書・資料作成)+ミーティング
土曜
学習会2+学習会3
日曜
休日