K. K
必要とされる場所で
出会った
課題を社会と共有する
新たな道を探りはじめた人
2017年入職
教育支援事業部
文化構想学部卒

- 2016年
- 大学卒業後、都内小学校にて教諭として勤務
- 2017年
- キッズドア入職
教育支援事業部配属、足立区西部居場所学習会(キッズリビングやざいけ)で指導にあたる - 2019年
- キッズリビングやざいけ施設長として勤務。不登校支援事業キッズ・ポートの立ち上げに参加
- 2019年
- ベネッセ子ども基金との共同教材開発プロジェクトに参加
さよならも言えず
別れた子どもたち
もともと中高の社会科教諭を目指していましたが、大学は教育学部ではなく、教える内容に専門性をもつために、歴史学とメディア、デザインなどを掛け合わせた新しい領域の学問を選びました。
そのため、入学当初から教育サークルに入ったり、小学校で補助教員のアルバイトをしたりと自分なりに学びや経験を得られるよう努めます。
そのなかで、地元・足立区で配慮が必要な児童を支援するアルバイトをした際、1年から6年まで広い年齢の子たちに全教科を教えるという、小学校教育のダイナミックさに驚き惹かれ、志望を転向。試験を受け小学校教諭の免許を取得し、大学卒業後、希望していた小学校教諭としてデビューを果たします。
ところが……、着任早々、実際に全教科を教えるという業務の壁にぶち当たり、体調が急降下。休職を余儀なくされてしまったのです。なんとか復帰したものの、周囲の理解や協力も得にくく、激しく悩んだ末、退職の道を選ぶことになりました。
子どもたちは本当によくしてくれて……。きちんとさよならもできずに教壇を去ったので、今も後悔はすごくあります。
あの子たちにできなかったことを、別の場所でやらせてもらえないか。罪ほろぼしができないだろうか。そんなことをひたすら考えていました。

キャリアの再開。
閉じられた課題を、
社会へ発信し共有する
そんな折、地元の足立区で、キッズドアが居場所兼学習会の場を立ち上げると知り、応募。アルバイトスタッフとして勤務しはじめます。
「何かしなくてはマズい、でも……」自分のなかの焦りと闘いながらの再スタートでしたが、子どもたちと勉強したり、一緒に料理をしたりして過ごすうちに、距離が近くなり、辞めずに続けることができました。
その後、職員登用の機会をいただき入職。必要としてくれる場所があり、拾ってもらえたことに感謝しています。
当初から任せていただいているキッズリビングやざいけは、昼間は不登校のお子さんたちの居場所として、放課後は中高生対象の学習会として稼働しています。いずれも足立区の事業です。
協働する企業の方と相談して、子どもへの想いを形にする企画を実施していくことも重要な役目の1つで、先日はスポンサー企業の社員さんが、オンラインで英検の模擬面接をしてくださりました。
少し変わったところでは、ベネッセさんとの教材開発コラボ事業にも参加しています。キッズドアの現場で培われた独自の教材を、それぞれの強みを活かしてブラッシュアップし、全国の団体へ配布する取り組みです。
働き始めた頃は、目の前の子どもたちにどうしたら直接良い影響を与えられるだろうかと考えて、とにかく自分ができること、自分の身の回りでできることを考えていました。けれども、勤務年数を重ね、ステークホルダーのみなさんと協働させていただくうちに、子どもの先にいる保護者や地域にも目が向けられるようになりました。
さまざまな人の助けを借りて一緒に課題に取り組んでいけるように。最近では現場で得た気付きを発信する機会も増え、具体的なアクションもリリース間近です。社会に働きかけるキッズドアにいるからこそできる挑戦だと感じています。

子どもも社会も、
すぐに結果は出ないから
SNSなどで、簡単に誰かとつながることができるようになった現在、子どもたちの居場所は家庭と学校以外に、決して多くありません。人との関わりが希薄で、困った時に助けを求めること、困っている誰かを助けることも難しい社会になってきています。
私たちの仕事は、短期ですぐに結果が出るようなものではありません。子どもたちは出会う前に家庭や学校で十何年も育ってきて、変えられないものもたくさんあります。問題は複雑で、力及ばずと思うことも多いのが現実です。
自分の目の前にいる間に変化する子もいれば、ずっとあとになって今日向き合ったことの影響が出てくる子もいるかもしれない。そんな状況でも今できること、子どもとの1日1日を大切に真摯にお仕事ができる方と一緒に働けたらうれしいです。
社会はすぐには変わらなくても、子どもたちが自分の味方になってくれる、応援してくれる人に出会って、大人になっていくこと。そういうことが大切なのだろうと思います。

ある1週間のスケジュール
- 月曜
- 休日
- 火曜
- 不登校生徒向け学習会運営、困窮家庭生徒向け学習会運営、職員ミーティング、事務作業
- 水曜
- 困窮家庭生徒向け学習会運営、事務作業、保護者への連絡
- 木曜
- 困窮家庭生徒向け学習会運営、各プロジェクト作業・ミーティング、行政への対応
- 金曜
- 困窮家庭生徒向け学習会運営、各プロジェクト作業、学習会事務作業
- 土曜
- 困窮家庭生徒向け学習会運営、アルバイトスタッフとのミーティング、日曜日出勤の職員への引き継ぎ
- 日曜
- 休日